相続税申告の期限は10か月|相続発生から申告・納税までの流れ
ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や各種手続きなど、やらなければならないことがたくさんあります。
その中で相続税については、
「何から始めればいいのかわからない」
「いつまでに何をすればいいの?」
という不安を感じる方も少なくありません。
相続にはいくつか重要な期限があります。全体の流れを知っておくだけでも、落ち着いて手続きを進めることができます。
相続税の申告期限は10か月です
相続税の申告と納税は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行います。
通常は、亡くなった日の翌日から10か月と考えると分かりやすいでしょう。
例えば4月10日に亡くなられた場合、原則として翌年2月10日が申告期限となります。
「10か月もある」と思われるかもしれませんが、実際にはその間に多くの手続きを行う必要があります。
相続発生後、まず行うこと
相続人を確認する
最初に、誰が相続人になるのかを確認します。
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを取得し、法定相続人を確認します。
相続税の基礎控除額も法定相続人の人数によって変わるため、重要な作業です。
遺言書の有無を確認する
遺言書がある場合には、原則としてその内容を踏まえて相続手続きを進めます。
自宅で保管されている自筆証書遺言などについては、内容によって家庭裁判所での手続きが必要になる場合があります。
3か月以内に確認したい「相続放棄」
借入金などマイナスの財産が多い場合には、相続放棄を検討することがあります。
相続放棄は原則として、自分のために相続が開始したことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
そのため、財産だけでなく借入金や保証債務などについても、なるべく早い段階で確認することが重要です。
4か月以内に「準確定申告」が必要なことも
亡くなった方が個人事業をしていた、不動産所得があったなど、確定申告が必要な方だった場合には、相続人が「準確定申告」を行うことがあります。
準確定申告の期限は原則として、相続開始を知った日の翌日から4か月以内です。
相続税の10か月より早く期限が来るため注意が必要です。
財産を調査・評価します
預金や有価証券を確認
銀行や証券会社などから残高証明書や取引資料を取得し、財産を確認します。
過去の資金移動について確認が必要になる場合もあります。
土地・建物を評価
不動産は相続税のルールに基づいて評価します。
土地の場所や形状、利用状況などによって評価額が変わるため、専門的な判断が必要になることがあります。
生命保険や非上場株式なども確認
死亡保険金、死亡退職金、会社経営者の場合には自社株などについても確認します。
遺産分割について話し合います
遺言書がない場合には、相続人の皆様で誰がどの財産を相続するのか話し合います。
話し合いがまとまれば遺産分割協議書を作成します。
相続税の申告期限までに遺産分割が終わっていなくても、申告期限が自動的に延長されるわけではありません。未分割の状態で申告が必要になることがあります。
10か月以内に相続税申告・納税
財産評価と遺産分割がまとまったら相続税を計算し、申告書を作成します。
申告書の提出先は、原則として相続人の住所地ではなく、亡くなった方の死亡時の住所地を所轄する税務署です。
相続税は申告期限までに金銭で納付することが原則となっています。
「10か月」から逆算することが大切です
相続手続きでは、相続人調査、財産調査、財産評価、遺産分割などを順番に進めなければなりません。
そのため、申告期限直前になってから準備を始めると、十分な検討時間が取れなくなることがあります。
税理士法人すずらん総合マネジメントでは、ご相談いただいた最初の段階で、
「いつまでに」「何をするのか」
を分かりやすく整理してお伝えします。
初めての相続だからこそ、まずは全体のスケジュールを知ることから始めてみましょう。
※本記事は2026年10月時点の法令・公表情報をもとに、一般的な内容を解説したものです。実際の相続税や相続手続きの取り扱いは、相続人・財産・遺産分割・生前贈与など、個別の状況によって異なります。